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UPDATE: 2016-05-31 19:17:47
怪我をした時に消毒をしないで下さい
怪我をした時に消毒をするのが当然だと思っている方は多いと思いますが消毒液は悪い菌をやっつけるかもしれませんが創を良くする細胞までやっつけてしまうので創を消毒してはいけないんです。

本当の消毒は創の周りの菌をやっつけるためにするのであって創自体を消毒してはダメなんですけど医療従事者であっても気にせずに創ごと消毒する人は沢山います。

そもそも菌は目には見えませんがいたる所に存在していて無菌にするなんてできませんので水道水で洗浄するだけで十分なんです。

人間には血液が流れていて体液もありますが皮膚が傷ついていないと当然、血液も体液も出てきませんしバリア機能で菌も侵入してきませんが、皮膚が傷つくと体液が滲み出てくるのは当然の事でドロッとしていると膿と勘違いするかもしれませんが膿というのは感染(化膿)した時の浸出液の事を指しますので疼痛、発赤、熱感、腫脹という炎症所見を伴いますが、このような炎症所見がない場合は感染していないと考えて差し支えありません。

浸出液の中に細胞成長殖因子という創を良くする成分が含まれていますが創にガーゼを充てると浸出液がガーゼに吸われて細胞成長因子を捨ててしまう事になって創を良くすることを妨げ、更にガーゼが創に付着してガーゼを剥がす時に折角、張ってきた皮膚がガーゼ側に付いて一緒に剥がされて時には出血することもあるのでガーゼを使用することも良くありません。

創を乾燥させるとカサブタができて浸出液が出なくなるので治ったと勘違いしますが、カサブタの下にジュクジュクしたものが残っていればそこで菌が繁殖することもありますので、カサブタを作らずに治す方法が良いとされていて、そもそも痛みは創を乾燥させると認めるので創を乾燥させないだけで痛みは非常に和らぎます。

お風呂に長く入っていた時や怪我をしてカットバンを貼った時にカットバンを貼った所が白くふやけた経験があると思いますが、皮膚がふやけるのは水分が多い(英語で表現すればwet)状態で、白くふやけた皮膚からも良い皮膚は再生しないので、もう少し水分の少ない潤い(英語で表現すればmoist)環境に保つ事が望ましく、こういう治療法を湿潤療法(英語で表現すればmoist healing)と言います。

創の潤い環境を保つために適切な創傷被覆材を創に貼りますが、「キズは乾かさずに治す」とCMをしているキズパワーパッドが創傷被覆材ですが、最近はキズパワーパッド以外にも色々と創傷被覆材がドラッグストアでも簡単に手に入りますので、この基本さえ分かっていれば怪我をしても医療機関に掛からずに自分で治す事も十分に可能です。

熱傷や化学薬品による皮膚の損傷も原因が熱や化学薬品というだけで創の治るメカニズムは普通の創と変わりませんので湿潤療法で治りますが、見た目よりも損傷が深いケースもあり治るまでに少し時間が掛かる事も多いです。

市販の創傷被覆材は説明書に切ってはいけないと書いてあるかもしれませんが切っても何の問題も無いので創よりも一回りだけ大きく貼って浸出液が溢れそうになれば交換すれば周囲の皮膚がふやけずに湿潤環境を保てて早く良くなると思います。

ですので浸出液が多ければ1日に数回交換しないといけない事もあれば浸出液が少なければ数日交換しないで良いケースもあります。

交換の際にシャワーで流しながら剥がせば洗浄も同時に出来て効率的です。

ご自身で処置をしていて少しでもおかしいとか処置に不安がある時は速やかに医療機関を受診して下さい。

いまだに軟膏とガーゼ(特に熱傷に対して)で処置をする医療機関はまだまだ沢山ありますので湿潤療法を取り入れている医療機関を探して受診するようにしましょう。
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